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- 1.いつ頃からあったの?
- これは結構回答に困る質問だったりするんですが、ハープの種類によって全く異なってきてしまうんです。
現在オーケストラ等でも使われている、一般的なグランド・ハープ(ダブルペダル・ハープ)の形ができあがったのは18世紀(1792年)ですが、ルーツをたどれば、紀元前3000年には、3弦のハープ(いわゆる竪琴ですね)の壁画がありますし・・。それを考えると、非常〜に古い原始的な楽器と言えるかもしれません。
- 2.大きさはどのくらい?
- ここからは、私が普段演奏しているグランドハープを基本としてお答えしていきます。
大体、標準的なグランドハープですと、高さが約180cm、幅が約100cmくらいでしょうか。機種によって多少の違いはありま
すが、せいぜい数cmの差でしょう。
- 3.重さはどのくらい?
- これもまた機種によって違いますが、だいたい35kgから42kgくらいです。
- 4.弦は何本?
- 標準で47本です。46本の機種もあります。約7オクターブの音域があります。
47弦の音域です。46弦の場合は、一番下がDになります。
- 5.弦は何で出来ているの?
- 3種類あります。
低い音の部分は金属のスチール弦(12本又は11本)、真ん中の音の部分はガット弦(羊の腸ですね)(19本)、そして高い音の部分はナイロン弦(16本)です。
- 6.弦に所々色が付いてるのは何?
- はい、先ほどお話ししました通り、ハープには47本もの弦があります。
いくらプロでも、これが全部同じ色だったらちょっと演奏に支障をきたすでしょう。つまり、目印のために色が付いているのです。
どのように付いているかというと、「ド」の弦は全部赤い弦です。そして「ファ」の弦は青。(黒っぽく見えるものもあります)金属弦は赤と青の代わりに金色になってます。
最近は技術が進歩したのか、金属弦も赤や青になってきました。
- ギターや日本のお琴は爪をつけて弾きますが、同じ撥弦楽器であるハープは爪はつけません。指のおなかの部分で弦をはじきます。ですから、自分の爪も、いつも短く切っていなければなりません。
最初はマメが出来たりしてだいぶ痛い思いをしますが、そのうちマメがタコになってきます。そうなるともう大丈夫です。ただ、あまりカチコチのタコになってしまうと、今度はまるで爪ではじいたような硬い音になってしまうので、時々表面を剥いてあげます。
よくお客様に「ちょっと指を触らせて」と言われますが、実際に触ったお客様のほとんどが「あぁ、やっぱり固くなってる。でも思ったほど固くはないわねぇ。」とおっしゃいます。
- 全部で7本です。右に4本、左に3本。
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これは実際に楽器を見ながらでないと、なかなか説明しづらいのですが・・。
要はペダルで音の高さを上げたり下げたりする、ということです。
ハープの弦はピアノの白鍵のように並んでいます。
そのままだと黒鍵の部分がないようなものです。
ペダルは一つの音につき、1本ありまして(なので前述のように7本になるんですね)、
またすべてのペダルは上・中・下と3段階に動くようになっています。
ペダルを動かすと、弦の上の部分に設置されている円盤状のもの(ディスク)が
回転して、ディスクに付いている棒が、弦を引っかける・・という仕組みです。(右アニメーション参照→)
ハープの支柱は空洞になっており、その中はペダルとディスクを連結している金属棒(ロッド)が通っています。
ペダルの位置が一番上にあるとフラット、真ん中がナチュラル、一番下はシャープ、というようになっています。
つまり、すべてのペダルが一番上になっている状態では変ハ長調、真ん中ではハ長調、一番下では嬰ハ長調となります。
例えばハ長調の曲を演奏していて、ドのシャープ(C#)が出てきたら、
ドのペダルを一段階踏み込みます。
すると、すべてのオクターブの「ド」が半音上がってシャープになります。
シのフラットとミのフラットが同時に出てきたら、ミとシのペダルを両方同時に一段階はね上げます。
ということは、曲の調号に関係なく、臨時記号がたくさん出てくる曲がハープにとって大変な曲となるのです。
ハービストはみんな足下まで届くようなロングドレスを着て優雅に演奏してますよね。
でも実はそれはバタバタと動き回っている足を隠す役目もしてたりするんですよ・・(^^;あ、バラしちゃった!)
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ディスクの状態
ペダルの位置 |
- あれだけ大きく重いと、フルートやバイオリンのように自分で持って電車に乗る、ということはまずできません。でも、ちゃんとハープ専門の運搬業者さんがいるので、普通はそういうところに依頼します。
例外として私のように幸運(?)にも腕力と体力があるハーピストは自分で運びます。ナナハンでジムカーナに燃えているうちに付いた筋力に感謝(笑)。車に乗せるのも、階段も一人でエッチラオッチラ運んでいます。でもさすがに、この所だんだんハープが重く感じるようになってきたのは・・うーん・・トシのせいとは思いたくない・・けど・・( ̄_ ̄;
車移動の時は、ステーションワゴン車の荷室をフルフラットにして、マットレスか敷き布団を敷き、ソフトケースにいれたハープを横にして寝かせて運びます。
- これはピンキリです。ただ一つ言えることはピンとキリの幅が狭い、ということです。
バイオリン等は下は数万から上は数千万、場合によっては億までいくようですが、ハープは(この場合はグランドハープです)確かに下も百万を越えますが、上はせいぜい数百万、一千万を越える楽器はほとんどないようです。('08年追記:一千万以上の楽器も数種類出てきました。(;^_^A
この頃はフルートでも数百万するそうですから、大きさから言えば、そうべらぼうに高い楽器でもないのではないかと・・・
でももちろんそうそう買える金額でもないので、何があってもいいように、ほとんどのハーピストは楽器に全額保証の保険をかけてますね。(もちろん私も!何たって全財産ですから(^^;
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